狂気の裏に滲み出てくる何かを感じさせる男 俳優 パク・ソンウン

空から降る一億の星では、20歳も年の離れた妹を溺愛する兄を演じ、
リメンバー~記憶の彼方へ~ではヤクザ上がりの弁護士を熱演した
俳優 パクソンウンさん
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ドラマ『悪魔が君の名を呼ぶ時』の制作発表会でのパクソンウンさんです。
最新ドラマ 『悪魔が君の名を呼ぶ時』(tvN 2019年)では、無名時代を経て最高の全盛期を迎えているが、実は悪魔に取りつかれている状態のトップ俳優モ・テガン役/悪魔リュを演じ
最新映画 『あなたの名はチャンミ』では、主人公という素材に「母」が起用され、その普段の生活からは想像もできない、主人公である母の若かりし過去に関係する一人の男ユ・ミョンファン役として、コメディ演技で観客の笑いを誘っています。
今回は俳優パク・ソンウンさんの魅力を、私が出合った出演作品を通してお伝えしていきます。
私がはじめてパクソンウンさんを見たのは、『ハイヒールの男』というチヤ・スンウォンさん主演の映画でした。
0分46秒あたり。ちょっと髪型が好みではないのですが…
検事役で、最終的には大勢のヤクザに襲われて絶命するのですが、1対多勢のヤクザたち相手に戦うシーンを見たときに、大きな体を使ったアクションと、とても鋭い目つきが印象的な役者さんだと思いました。
パクソンウンさんは24歳になる1997年に俳優になること決心します。しかし、そこから約10年以上の無名時代があり、代役なしでもアクションシーンを演じられる役者になりたいと、アクションスクールに入りアクション俳優として活動したこともあったそうです。
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映画『ハイヒールの男』でのあのアクションはご自身の努力のたまものであったということですね。
その他のアクションシーンとして
映画『無頼漢 渇いた罪』で容疑者役を演じるパクソンウンさん。刑事役のキムナムギルさんとの激しいアクションを披露しています。
187㎝の背の高さと厚みのある上半身、それでいて素早い身のこなしから繰り広げられるパクソンウンさんのアクションシーン。
ここで、パクソンウンさんのプロフィールをご紹介したいと思います。
パク・ソンウン 박성웅
生年月日:1973年1月9日
出身地:忠清北道 チュンジュ(忠清)市
身長 187㎝(188㎝との情報もあり)
所属事務所:C-JeS Entertainment
デビューは1997年 映画『ナンバー・スリー』ソン・ヌンハン役
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ちなみにパクソンウンさんのお父さんは191㎝、モデルをしていたお兄さんは192㎝あるそうです。
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お父さんがおいくつかはわかりませんが、この年代の方でこの高身長!
一目でいいのでお父さんを拝見したいです。
『ハイヒールの男』という映画で初めてパクソンウンさんを見たその後、たまたま自宅のレコーダーに間違って予約されたある映画でまたまたパクソンウンさんを見かけます。
その時は誤作動から録画されていたため、冒頭から30分ぐらいで録画が終わっていました。しかし、その30分を見ただけでもその映画が面白いことがわかり、後日改めて録画しなおしその映画をようやく見ることができたのです。
その映画とは、パクソンウンさんが2013年に出演された『新世界』でした。
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この映画の中でパクソンウンさんは、スーツをきっちり着こなし、残忍で狂気溢れるヤクザを演じていました。
ちなみにパクソンウンさんはこの映画でヤクザ役を演じるにあたり、実際のヤクザに会い、彼らの行動を観察したそうです。キャラクターに対する真摯な探究が素晴らしい役を生んだということでしょう。
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しかし、いくら仕事のためとは言え、反社会的なそのスジの方に会うというのは、なかなかすごいことですよね。ご家族も心配だったのではないでしょうか?
2分13秒あたりから。駐車場にあらわれたライバルに猛スピードで向かってきて、急ブレーキをかけライバルを驚かすジュング。笑ってるのに笑っているように見えません。
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組織の先輩たちを前に、ゴルフクラブを肩になにやら話をするジュング。
3分21秒あたりから。パクソンウンさん演じるジュングは警察に捕まり、同じ会社(犯罪組織ですが)のライバルが面会にやってくるのですが、そのライバルが自分を警察に売ったと思い、すさまじい剣幕でどなりまくります。
釈放されて、部下の出向もなく一人寂しく刑務所をあとにする姿。
劇中ではキッチリと髪形を決めるシーンが多かった中、出所後の自然なそのままの髪にも感じる何か…
この『新世界』という映画は、韓国ノワール作品でタフな男たちの話です。主演にはチェミンシク、ファンジョンミン、イジョンジェとそうそうたる俳優たちが名を連ねる中、パクソンウンさんのキャスティングはあとから決まったそうです。出典:mnetjp.com
私がこの映画でパクソンウンさんの演技を目にしたとき、確かに役柄である狂気や残忍性も非常に感じたのですが、それ以上に「色気」をとても感じたのです。その色気は、画面を通してその香りが漂ってくるようでした。
それが、パクソンウンさんご自身のものか、演技から出てきた、例えば哀愁のようなものなのかはわかりませんが、いわゆる反社会勢力に身を置く危ない人なのに、なんだかフラフラ~と付いていってしまいそうな、とても影響力のある色気だったのです。
この映画自体、男社会の話なので否応なしに男の匂いがしてくるし、主演のチェミンシクさん、ファンジョンミンさん、イジョンジェさんたち主要俳優の方々の存在感ももちろんあります。
がしかし、それをしのぐ勢いと、クラクラするような香りをまとった男を演じたパクソンウンさんひとりがこの映画をもっていってしまったと、見終えたときに感じました。
パクソンウンさんは奥様のシンウンジュンさんと『太王四神記』というドラマで出会い結婚しますが、その後パッタリと仕事が来ない時期があったそうです。出典:https://saeriho.com/
この『新世界』という映画はデビューしてから16年、40歳の時に出合った作品だそうで、パクソンウンさんは
40代になってはじめて俳優生活が忙しくなった、
20代30代でなくてよかった
と語っています。
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私が『新世界』で感じたパクソンウンさんの色気や魅力。20代30代のパクソンウンさんからは、もしかしたら感じることができなかったかもしれません。
まとめ
今回はパクソンウンさんの魅力を伝えるというよりも、私が映画を通して感じたことを皆さんに聞いていただく形になってしまいましたが、私のように感じた方はいらっしゃいませんでしたか?
韓国映画は日本のものより五感を刺激される作品が多いと感じています。私が好きな韓国ノワール作品では、例えば、画面の血から痛みはもちろんのこと、その匂いを鼻腔に感じることができたり。
これからも素晴らしい映画を通して、魅力ある俳優さんが自分のレパートリーに増えるといいなと思います。