見えないキャラに心を動かされる!?ネタバレなしでドラマ『主君の太陽』を100倍面白く!
2019年10月に韓国で再放送され改めて関心を集めたSBSドラマ『主君の太陽』。(出典:atoday-co-kr.cdn.ampproject.org)
2013年の初放送当時は最高視聴率21.8パーセントを記録した作品です。
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今回は『主君の太陽』の魅力をお伝えします。
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まずは簡単な概要をお伝えします。
幽霊が見える体質に悩まされ、下宿の夜間管理人として社会との距離を置きながら孤独に生きるテ・ゴンシル。ある日、ゴンシルの下宿に住み着いていた老婦人の幽霊から、息子に預金通帳を手渡してほしいと頼まれる。その帰り道、大雨の中でヒッチハイクをしたゴンシルは、偶然通りかかった大手ショッピングモールの社長チュ・ジュンウォンの車に強引に乗り込む。安心したゴンシルだったが、車の前に突然幽霊が出現。思わずジュンウォンにしがみつくと、驚いたことに幽霊は消えて見えなくなった。ジュンウォンに触れた時だけ幽霊が見えなくなることに気付いたゴンシルは、ジュンウォンに付きまとい始める…
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●テ・ゴンシル/コン・ヒョジン
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死にかけるほどの大事故にあってから幽霊が見えるようになってしまった主人公テ・ゴンシル。こんな体になる前は、成績優秀なだけでなく賞を取るほどスポーツ万能。周りからの人望も厚くて、学生時代は珍しい「テ」という姓から「テヤン(太陽)」というニックネームで呼ばれる。まさに燦々と降り注ぐ太陽のようなキャラクターだった女性。普通の人には見えないものが見えるようになったいまは、昔の面影すらありません。
幽霊達は生きてる人間の都合などお構いなしに、話したがるもの、頼みごとをするもの、目が合っただけで追いかけてくるもの…幽霊達から四六時中まとわりつかれるテ・ゴンシルは、気を緩めると憑依されてしまうので、夜もろくに眠れないのですが、そのせいで目の下にはクマをつくり、顔色は悪く、青白いその顔はまるで幽霊の形相。日常がお化け屋敷の中を歩いている状態なので、ちゃんとした職にもつけず半引きこもりの状態です。
コン・ヒョジンさんは2011年の『最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~』以来2年ぶりのドラマ出演です。今回の『主君の太陽』では、自分が陥った境遇から半ば世捨て人のような、その存在を隠して生活する女性を演じるコン・ヒョジンさんの前作とのあまりの違いに、ちょっとがっかりしたというか…
コン・ヒョジンさんの屈託なくケラケラ笑うキャラクターだったり、元気いっぱいの姿を想像していたので、最初は今回のキャラクターになじむまで時間がかかりました。それでも、回が進むにつれて、周りの人の力をかりつつ、それまでは目障りで仕方がなかった幽霊たちとも交流をしていくことで、テ・ゴンシルが成長していく姿を見ることができます。
徐々に血色もよくなり、垢ぬけてかわいらしくなっていくその姿や、コン・ヒョジンさんのスタイルの良さを生かしたファッションも見どころ。
ソ・ジソプさん演じるキングダムのチュ社長に触れると、自分にまとわりつく幽霊が消えると分かってさんざん付きまとったおかげか、チュ社長と持ちつ持たれつな関係を結ぶことになるのですが、その個人的な利害契約を飛び越え心に他の感情が芽生え始めるのかどうかも気になります。
さらに、縁あってか、はたまた罠なのか、住居も職場も同じになり親密さが回を追うごとに増してくるソ・イングクさん演じるカン・ウとの関係も見逃せません。
●チュ・ジュンウォン(主君)/ソ・ジソプ
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ショッピングモール「キングダム」の社長。会社の利益につながるためなら感情・私情をはさまず交渉を進める冷徹な男性です。側近のキム秘書と自分以外の人間を信頼しておらず、周りに心を開こうともしません。高校生の時に身代金目的で誘拐され、さらにはその事件に巻き込まれた初恋の女性が目の前で亡くなる辛い体験をしています。
ひょんなことからテ・ゴンシルと出会い、その特殊な能力を会社と自分の為に利用しようと企みます。かなり変わり者のテ・ゴンシルを最初は疎ましく思っていたはずなのに、ビジネスライクな関係を保てなくなっている様子のチュ社長に見えるのは、私の気のせいでないと思うのですが…
テ・ゴンシルと出会ったからか、不気味なことにチュ社長のショッピングモール「キングダム」にはやたらと幽霊が現われます。でも、性格やその振る舞いを見た限りでは、社長の傍若無人な態度が恨みを買って、生霊や幽霊を集めている気もします…
チュ社長は
「目に見えないものを信じるなど愚かな行為です。生身の人間の方がよっぽど怖い」
と言います。
生きている人間の怖さを経験したからこその言葉なのでしょうか?その一方で、チュ社長が自分に言い聞かせているようにも聞こえます。ただ傲慢であるがゆえに発せられたわけではなく、これほどまでのことを言わなければならなくなったチュ社長の経験した怖いこととは?なにか理由がありそうなのです。
そして、過去の誘拐事件のトラウマからなのか、チュ社長は識字障害を患っています。周りにそのことがばれないよう、書類のすべてをキム秘書が代読し録音したものを聴くことでなんとか平静を装っているチュ社長。強く見えるその裏に実は…とうことでしょうか。
ソ・ジソプさんは意外にもこのドラマがラブコメ初挑戦とのこと!
ラブコメの女王コン・ヒョジンさん相手に序盤は少し硬い印象のソ・ジソプさんでしたが、初のラブコメワールドで徐々に新たな魅力を出してきます。今回の経験を機に、今後もソ・ジソプさんがたくさんのラブコメで演技してくれたら最高ですね。
「寡黙な男」の代名詞をもつソ・ジソプさんですが、ラブコメの定番「ツンデレ」がこのドラマでたくさん見られるのか。(序盤は上の写真のように眉間にしわが寄っているシーンやツンツンしているシーンが多いので…)どんどん先を見たくなるストーリー展開と相まって期待十分です。
●カン・ウ/ソ・イングク
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テ・ゴンシルの下宿先、老婆の幽霊が住みついていた404号室に越してきた男性。表向きはキングダムの警備チームに保安室長として配属されていますが、密かに誰かと連絡を取り、キングダムやチュ社長の動向を逐一報告している様子です。序盤ではカン・ウが敵か味方か判断がつきませんが、調べた情報を報告する相手がチュ社長の父親であるチュ会長であることが明らかになったものの、やはり味方でもなさそうな雰囲気が…
最近では185センチオーバーが多くなってきた感もある韓国俳優の中では、もしかしたら180センチという身長は平均的なのかもしれませんが、ソ・イングクさんは背の高低差を全く感じさせない体つきです。警備チームの室長役なので黒いスーツに身を包んでいるシーンが多いのですが、腰の位置が高いのかとてもスタイルよく見えるのです。
ソ・イングクさんは目つきが鋭く、いままであまり興味をそそられなかったのですが、ドラマの中での身のこなしや、やさしい話し方を見せられ、こんな素敵な警備員さんに守られてみたいと、あやしくもフラフラ~と後を付いて行きたくなる素敵な男性キャラクターです。
チェ会長の命によりキングダムに潜入し極秘に内部調査をしているので、テ・ゴンシルにも自身を偽って近づいたと思うのですが、本当にこの関係のままで終わるのかしら?という気がします。だまされたテ・ゴンシルは、カン・ウの自分への好意にチャンスをかけていますが、いつかコロッとカン・ウの立場が逆転してしまうのではと、ドラマの続きを楽しく妄想させてくれるキャラクターです。
●テ・イリョン/キム・ユリ
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「韓国のベッカムとビクトリア」を夢みて人気サッカー選手とキングダムで結婚式を挙げるはずだったテ・イリョン。しかし、そのお相手の元カノ幽霊が現われたおかげで、破談になってしまった女性です。一話だけの出演かと思いきや、その後のストーリーにも絡んできているので、その性格や振る舞いをみるに台風の目にもなりそうな役どころです。
テ・ゴンシルとは高校の同級生で、同じ「テ」という姓から「小さい太陽」とあだ名をつけられていたテ・イリョン。学生時代は黒ぶち眼鏡に矯正した口元でパっとしない風貌でした。テ・ゴンシルと比べて地味だった過去の自分にコンプレックスをもっています。今のようにタレント・歌手としてチヤホヤされるような立場、有名になったにもかかわらず、テ・ゴンシルに再会したことで昔を思い出しストレスを感じています。
そんな心の隙間に入り込まれ、悪霊に乗っ取られてしまうことも
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ミーハーな性格が最初は好きでなかったのですが、生きてる元カノじゃなくて、幽霊の元カノが原因で結婚が流れてしまい、ちょっと気の毒だなと感じました。テ・ゴンシルにライバル意識を燃やすのも、相手のことを興味を持っているからこそ感じるもの。今後なにかの拍子にテ・ゴンシルと仲良くなるチャンスを感じます。
●チャ・ヒジュ/ハン・ボルム
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ジュンウォンが誘拐されたときに事件に巻き込まれ亡くなった恋人。高校生のジュンウォンにとっては初恋の相手であり、成人した今、忘れたくても忘れられない存在です。誘拐事件の犠牲者かと思いきや、徐々にそのベールにつつまれた真相があきらかになっていきます。幽霊となってジュンウォンのそばを離れないのも理由がありそうです。
●チュ・ソンラン/キム・ミギョン
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ジュンウォンの父方の叔母。過去の誘拐事件のことが原因で社内には「見合い相手には災難が降りかかり、結婚できないのは初恋の呪い」だとか「主君の恋人は幽霊」などのうわさがながれるなか、甥っ子に幸せになってもらうべく、その相手選びに奮闘しています。夫はキングダムの副社長ト・ソクチョル。年の離れた姉さん女房で夫の手綱さばきには厳しい主義なのか、ニコリともせず常にクールな印象。
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派手な柄や原色の衣装、大ぶりのアクセサリー類がとてもよくお似合いです。
ベテラン女優キム・ミギョンさん。私が今までみた作品では、肝っ玉母ちゃん役にふさわしい庶民的な装いや、地味な色・デザインの服装が多かったのですが、この作品では非常に華やかなミギョンさんを見ることができて、あたらめて素敵な女優さんだなと感じました。
クール&ゴージャスな叔母様、チュ・ソンランのファッションは見逃せないポイントでもあります。
こんなことを書いてしまっていいのか分かりませんが、実はここまで記事を書いてきて、叔母さんがジュンウォンのために結婚相手を探す理由、ヒジュが成仏できずジュンウォンに何かを伝えたがっているその訳がピンと来てしまったというか…勘のいい方ならもうすでにわかっていたかも知れません。先を見るのが怖いような、答え合わせをしたいような…
●キム・グイド/チェ・ジョンウ
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ジュンウォン(主君)が唯一信頼を寄せ、そばに置いているのではと思う人物。気むずかし屋のあの主君の秘書として出しゃばらず、静かに任務を遂行する姿がとても好印象です。誰が見ても怪しいはずのテ・ゴンシルにもやさしくスマートな対応なのも、好感度アップのポイントだと思います。
●ト・ソクチョル/イ・ジョンウォン
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ジュンウォンの叔母ソンランの夫。キングダムの副社長でありながら、妻のソンランには全く頭が上がりません。目上の自分に生意気な態度をとるジュンウォンの弱みを握るべく奮闘するも、ほとんど裏目に出ています。
●チュ会長/キム・ヨンゴン
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ジュンウォンの父親。実は、警備チーム室長のカン・ウを使い、息子の動向を見張っています。
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序盤はあまり登場シーンがないのにこの画のインパクトが強すぎて…
会社の会長というより、ゴッドファーザーな印象が強いチュ会長です。ジュンウォンを秘密裏に調べるのは、過去の事件と何か関連があるのでしょうか?ドラマの最初はほとんど出てくることがなく、ドラマ後半にキーマン的存在で出てきそうな印象です。
●テ・ゴンリ/パク・ヒボン
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ゴンシルの姉。霊感のせいでなかなか正職につけなかったゴンシルがやっと働けるようになりホッと一安心でありながら、また幽霊がらみで騒ぎを起こさないか心配。住まいも職場も同じカン・ウと妹がくっ付いてくれればと期待も寄せている。
●イ・ハンジェ/イ・ジェウォン
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警備チームのメンバー。噂大好きおしゃべり男。副社長ソクチョルから、ジュンウォンとゴンシルの関係を職場中に流す大役を任され出世のため少しでも上司に目をかけてもらいたいハンジェは、ここぞとばかりにその特技を生かそうと奮闘します。悪い人ではなさそうだけれど、個人的な話は一切したくないタイプの男性です。
『主君の太陽』では、生きてる人間も個性あふれるキャラクターたちばかりですが、じつは怖いだけではない、愛らしい(?)おばけたちがたくさん登場します。
① ゴンシルの下宿先の404号室に住みついたおばあさんのおばけ
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のっけからとても不気味なおばけが出てくるのですが、おばあさんの幽霊で自分の子供に通帳と印鑑を渡してほしいとテ・ゴンシルに頼みごとをします。頼みごとがあるのなら生前の姿で出てきてほしい…
韓国の幽霊は同じアジアなのに日本とはずいぶん違う気がしませんか?ちょっと妖怪寄りな韓国のおばけ。
②パーキングエリアでテ・ゴンシルがお酒をふるまったおじさんのおばけ
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飲酒運転で亡くなったのに相変わらずお酒が大好きなおじさんのおばけ。ゴンシルにお酒をおごってもらっていました。
③テ・ゴンシルとキスをしようとした男性の後から現われたおばけ
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告白されて付き合ってもその相手の背後からおばけが現われたらそりゃ逃げ出します。
④テ・ゴンシルがタクシー運転手の仕事をしていたときに乗ってきた幽霊のお客様
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おばけに邪魔されてもめけずに頑張ってタクシー運転手の職につくも、ここまで付きまとわれると困ります。
⑤タクシーのお化けにテ・ゴンシルがおどろき、逃げ出した町中で出会ったおばけ
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どこへ逃げてもおばけがいるし、目が合うと追いかけてくるので顔をあげることもできない日々。
⑦テ・イリョンの結婚相手の元カノおばけ
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1話からウルウルくるシーンが満載です。
⑦女子高生のおばけ
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現実にもありそうなお話です。。
⑧テ・ゴンシルが住む下宿の屋上にもやってくるコーヒー好きの学生おばけ
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コーヒーが飲みたいとおばけに催促されおごってあげるゴンシル。
⑨夫の不貞と裏切りを知ったショックのさなか不慮の事故にあい、残された母親を心配しテ・ゴンシルの前に出てきた女性のお化け
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心配で成仏できないことが本当にあるんだなと感じた回です。
⑩人の弱い心につけ込む悪霊
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心の隙間に入り込めそうな女性を転々とする悪霊。「お前がこの世で一番美しい」と耳元でささやかれると女性はまるで魔法にかかったように…
この方々以外にもまだまだ様々なおばけ達が登場します。
まとめ
初放送当時はラブコメにホラー要素が取り入れられたドラマは珍しかったようで、
前代未聞の”ラブコメホラー”を表明している『主君の太陽』は、自分の見たいものを見て、聞きたいことだけを聞いてきた、傲慢で自己中心的だったある男の成長ストーリーと共に、他の人には見えないもの、聞こえないものに振り回され、世の中に心を閉ざし自身をあきらめた一人の女性の現実適応記を描く。出典:news.kstyle.com
ホラーという言葉を聞くだけで先入観から怖いストーリーを思い浮かべてしまいますが、出てくるおばけの皆さんは不気味でありながらも、それぞれがテ・ゴンシルの前に現われ彼女を必要とする理由があって、そしておばけが出てくるのに時折ホロリとさせられる、いい意味で期待を裏切られる素敵なドラマです。
画期的なラブコメホラーにファンタジーの要素も感じられる作品ですが、もしかしたら自分が見えない分からないだけで、実はこうゆうことって案外起こっていたりして…と感じてしまいました。